研究に関するお知らせ

研究に関するお知らせ

[課題名 卵巣奇形腫を伴う抗NMDA受容体抗体脳炎症例における卵巣奇形腫の手術時期および術式と短期的転帰との関連をみる調査]に対するご協力のお願い

[課題名 卵巣奇形腫を伴う抗NMDA受容体抗体脳炎症例における卵巣奇形腫の手術時期および術式と短期的転帰との関連をみる調査]に対するご協力のお願い

 

研究代表者 所属 熊本大学大学院生命科学研究部/

熊本大学医学部保健学科

 教授 教授

氏名 田代浩徳

 

 このたび、下記の医学系研究を、熊本大学大学院生命科学研究部倫理委員会ならびに日本産科婦人科学会倫理委員会臨床研究審査小委員会の承認と日本産科婦人科学会理事長の許可のもと、倫理指針および法令を遵守して実施しますので、ご協力をお願いいたします。

この研究を実施することによる、患者さんへの新たな負担は一切ありません。また患者さんのプライバシー保護については最善を尽くします。

本研究への協力を望まれない患者さんは、その旨を診療を受けた施設までお申し出下さいますようお願いいたします。

 

1 対象となる方

 全国で2007年1月1日から2017年11月01日までの10年間に、卵巣奇形腫を伴った抗NMDA受容体抗体脳炎によって、卵巣奇形腫の手術を受けられた患者様が対象となります。目標症例数は約170例で、熊本大学医学部附属病院で該当する対象症例数は8例です。研究の対象者となることを希望されない方又は研究対象者のご家族等の代理人の方は、事務局までご連絡ください。

 

2 研究課題名

承認番号           倫理第1483号(熊本大学大学院生命科学研究部) 2018-3(日本産科婦人科学会)

研究課題名        卵巣奇形腫を伴う抗NMDA受容体抗体脳炎症例における卵巣奇形腫の手術時期および

        術式と短期的転帰との関連をみる調査

 

3.研究実施機関

 

 公益法人 日本産科婦人科学会 婦人科腫瘍委員会

 委員長 榎本 隆之,副委員長 八重樫 伸生,前委員長 片渕 秀隆

 

 抗NMDA受容体抗体脳炎に関する小委員会 

 田代 浩徳, 宮本新吾, 椙田 賢司, 万代 昌紀,坂口 勲

 

 主幹となる研究機関 熊本大学生命科学研究部 研究代表者 田代 浩徳

 

 これまで治療を担当したことのある全国88施設の産婦人科

 

 

4.本研究の意義、目的、方法

若年女性にみられることの多い抗N-methyl-D-aspartate(NMDA)受容体(R)抗体脳炎は、脳の興奮性神経伝達物質であるグルタミン酸に対する受容体(NMDAR)に自己抗体ができることよる急性型の脳炎で、卵巣奇形腫との関連が指摘されています。本疾患は、感冒様症状の後、精神症状で初発し、意識障害、痙攣、不随意運動や自律神経症状を呈し、呼吸ができなくなり、人工呼吸器による管理を受けることも多く、治療が効きづらく病状が長期におよび、死に至ることもある疾患です。卵巣奇形腫を合併する場合には、発症早期に卵巣奇形腫に対する手術を行うことで回復が早く見込めるのではないかと言われています。また、卵巣奇形腫の手術には、開腹手術や腹腔鏡による方法、また、卵巣全体あるいは奇形腫の腫瘤たけを摘出する方法がありますが、どのような手術方法が症状改善に影響するかは、はっきりとはわかっていません。そこで、脳炎発症から手術に至った時期や手術の方法によって、短期的な転帰として脳炎の症状改善の効果に差がみられたかどうかを後方視的に調査し検討することを目的とします。

2016年に行った卵巣奇形腫を有する抗NMDAR抗体脳炎に関する全国の産婦人科施設に対するアンケート調査で、抗NMDAR抗体脳炎に対して卵巣奇形腫の手術を受けられた患者様が2007年以降約160名おられることがわかりました。今回の調査では、治療を担当されたことがある産婦人科施設を対象にアンケートを行い、診療録(カルテ)をもとに、卵巣奇形腫の手術が脳炎を発症してからどの時期に行われたのか、手術方法がどのようなものであったのか、そして、手術によって脳炎症状がどのように変化したのかについて、配布したエクセル表の質問事項に対する回答をリストから選択もしくは記入していただきます。このアンケート調査票には、患者様の氏名やカルテ番号など個人を特定する情報は含まれません。

 

5.協力をお願いする内容

 この研究を行うことで患者様に日常診療以外の余分な負担が生じることはありません。

 

取得する情報は以下の通りです。

 

(1)抗NMDAR抗体脳炎に関する評価項目:

①脳炎発症時の年齢 ②抗体陽性となった材料(血液・髄液) ③抗体検査の種類 ④脳炎の治療 ⑤発症後から脳炎の確定診断までの期間

 

(2)卵巣奇形腫に関する評価項目:①発症後奇形腫の手術までの期間 ②内科的治療と手術との関連(内科的治療開始前・内科的治療と併行・内科的治療後)③手術の目的(症状改善のため・内科的治療による症状安定後再燃再発を予防するため)④奇形腫手術時の年齢 ⑤妊産回数 ⑥脳炎発症時の妊娠の有無、妊娠週数、妊娠の転帰 ⑦奇形腫発生部位(左側卵巣、右側卵巣、両側)⑨嚢腫の数 ⑩嚢腫の最大長径 ⑪奇形腫の組織型(良悪性)⑫神経成分の有無

 

(3)卵巣奇形腫の手術に関する評価項目:①手術時のパフォーマンス ステータス(PS)②術前ICU管理の有無 ③手術時意識レベル ④手術時の呼吸状態 ⑤手術時の痙攣 異常行動 ⑥手術時の精神症状 ⑦手術時のその他の症状 ⑧卵巣奇形腫に対する術式1(開腹・腹腔鏡) ⑨術式2(片側・両側) ⑩術式3(嚢腫核出術・卵巣/付属器切除)⑪術式4(両側性の場合の術式) ⑫術式5(その他)

 

(4)奇形腫の手術による状態改善に関する評価項目:①術後の経過観察期間 ②転帰(全景経過) ③術後の意識障害の改善 ④術後の呼吸障害の改善 ⑤ 術後の痙攣・異常行動の改善 ⑥術後の精神症状の改善 ⑦術後日常生活可能となるまでの期間 ⑧術後1ヶ月時のPS ⑨術後1ヶ月時のICU管理 ⑩術後1ヶ月時の改善度(寛解・部分寛解・変化なし・悪化・死亡)⑪その他(評価可能な施設において術後3ヶ月後、1年度の状態)⑫新たな奇形腫・残存腫瘍・再発腫瘍 ⑬死亡例の場合、死亡の時期と死因 

 

 

6.本研究の実施期間

 

西暦2018年8月13日(承認後)〜2019年3月31日

 

7 プライバシーの保護について

 本研究で取り扱う患者さんの情報は個人情報をすべて削除し、第3者にはどなたのものか一切わからない形で日本産科婦人科学会から提供され、使用します。

 患者さんの情報と個人情報を連結させることはありません。

 

8.利益相反について

 本研究は、公益法人 日本産科婦人科学会 婦人科腫瘍委員会の経費の下に、公正に行われます。本研究の利害関係の公正性については、熊本大学大学院生命科学研究部等臨床研究利益相反審査委員会の承認を得ております。今後も、当該研究経過を熊本大学生命科学研究部長へ報告すること等により、利害関係の公正性を保ちます。

 

9.お問い合わせ

本研究に関する質問や確認のご依頼は、下記へご連絡下さい。

また本研究の対象となる方またはその代理人(ご本人より本研究に関する委任を受けた方など)より、【情報の利用や他の研究機関への提供(研究内容に応じて適宜記載)】の停止を求める旨のお申し出があった場合は、解析対象から除外させていただきますので、その場合は診療のために受診された施設へのご連絡をお願いいたします。その場合でも、診療上であなたが不利益を被ることは一切ありません。また研究に関して、ご不明の点がございましたら,いつでもお問い合わせください。

 

研究事務局・研究代表者

熊本大学医学部保健学科(産婦人科医) 田代 浩徳

〒862-0976 熊本県熊本市中央区九品寺4丁目

TEL&FAX:096-373-5461

 

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