学会事務局

熊本大学大学院生命科学研究部
産科婦人科学分野内

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ご挨拶

熊本地震からの復興を願って

 このたび第38回日本妊娠高血圧学会 総合・学術講演会「妊娠高血圧研究の70年 ~加来・真柄から国際化の時代へ~」を、平成29年(2017年)9月22日(金)、23日(土)の両日に熊本市の中心にございますくまもと県民交流館パレアにおいて開催させて頂くことになり、大変光栄に存じております。この機会をお与えいただきました理事長の齋藤 滋教授をはじめ関係各位の皆様に心より厚くお礼申し上げます。

 妊娠高血圧症候群の歴史は、ヒポクラテスが妊娠中の痙攣発作を記載した紀元前400年頃まで遡り、20世紀に入り妊娠中の痙攣と高血圧、蛋白尿、浮腫の関連が明らかとなりました。日本では、妊娠高血圧症候群の病因を胎盤に求め研究が行われてきました。1952年に開催された第4回日本産婦人科学会総会における、われわれの教室の第6代の加来道隆教授の胎盤由来の多糖体に対するアレルギー説と、日本医科大学の真柄正直教授の胎盤由来ポリペプチド説に関する病因論の論争は今も語り継がれています。1953年に日本産科婦人科学会妊娠中毒症委員会が設定され、1980年には第1回日本妊娠中毒症研究会が発足し、2005年に妊娠高血圧症候群の定義・分類が改定され、現在に至ります。当時の胎盤病因論から70年を経て、妊娠高血圧研究がどのように進展してきたか振り返るために、「妊娠高血圧研究の70年 ~加来・真柄から国際化の時代へ~」をテーマとし、準備させて頂きます。特別講演では、国立循環器センターの小川久雄理事長、教育講演では、東北医科薬科大学公衆衛生学の目時弘仁教授、京都大学医学部附属病院病理診断科の南口早智子准教授をお招きしております。加えて、シンポジウム、ワークショップを企画し、一部は公募させて頂きます。学会にとって最も大切な多くの一般演題をお待ち申し上げております。

 政令都市熊本のシンボルは、2008年に築城400年を迎えた熊本城です。2016年4月14日と16日に熊本を襲った未曾有の大地震により、その偉容を一変させてしまいました。大天守の屋根瓦は剥がれ、しゃちほこも落下、飯田丸五階槽の石垣は崩壊し、往時の姿を残す宇土櫓も一部が損壊しました。私たちは一丸となって復興を目指して日々過ごしております。その中で、万端の準備を整え、記憶に残る学術講演会になることを願いながら、皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。

会長 片渕 秀隆
(熊本大学大学院生命科学研究部産科婦人科学分野 教授)
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