研究に関するお知らせ

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妊娠高血圧症候群ならびにHELLP症候群における胎盤の機能解析

はじめに

本学では、医学系研究に協力して下さる方々(以下研究対象者)の利益と安全を守り、安心して研究に参加していただくように心がけております。こちらに記載されている研究については、研究・診療等により収集・保存された既存試料・情報を用いる研究で、直接研究対象者からインフォームド・コンセントを取得することが困難であるため、情報公開をさせていただいております。  こちらの文書は研究対象者の皆様に、情報公開をするとともに、可能な限り研究参加を拒否または同意撤回の機会を保障する為のものになります。 なお、研究参加を拒否または同意撤回されても一切の不利益はないことを明記させていただきます。

研究課題

妊娠高血圧症候群ならびにHELLP症候群における胎盤の機能解析

本研究の実施体制

研究機関の名称:熊本大学大学院生命科学研究部
研究機関の長:山縣 和也
研究責任者:近藤 英治 産科婦人科学 教授
研究担当者:菰原 義弘 細胞病理学講座 教授
研究担当者:山口 宗影 産科婦人科学 講師
研究担当者:相良 昭仁 産科婦人科学 医員

本研究の目的及び意義

 妊娠すると約5%が妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)を発症します。妊娠高血圧症候群は、重症化すると、1-2割の妊婦で、赤血球が壊れ、血小板が低下し、肝障害を来すヘルプ(HELLP)症候群を発症します。ヘルプ症候群は、多臓器不全をきたし、脳出血のリスクが上昇する重篤な疾患で、母体死亡の主な原因となっています。しかし、妊娠高血圧症候群からヘルプ症候群を発症する機序は不明な点が多く、ヘルプ症候群を予防する方法はありません。

 本研究では、熊本大学病院で分娩した妊婦さんの保存された胎盤の蛋白などの発現を解析し、妊娠高血圧症候群やヘルプ症候群において発現の高い蛋白などを同定します。これにより、妊娠高血圧症候群からヘルプ症候群を発症する機序が解明されれば、ヘルプ症候群の予防や新規治療の開発に繋がる可能性があり、将来世界中の妊婦が安全に分娩できるようになることを目指します。

研究の方法

 熊本大学病院産科婦人科において過去に分娩された患者様の保存された胎盤組織を用いて、構成細胞における特定の蛋白や遺伝子の転写産物であるmRNAの発現を解析します。妊娠高血圧症候群やヘルプ症候群を発症した方とそうでない方で、それらの解析結果を比較し、妊娠高血圧症候群からヘルプ症候群を発症する機序を検討します。その際に、電子カルテから得られる母児の臨床情報を同時に解析します。対象者は100名程度です。本研究で得られた結果は、学会や論文にて発表します。

研究期間

2022年1月1日から2025年3月31日まで

試料・情報の取得期間

熊本大学病院産科婦人科において2012年1月から2021年12月までに分娩した患者様が対象となります。

研究に利用する試料・情報

・あなたの情報(年齢、経妊経産回数、既往帝王切開術の回数、妊娠高血圧症候群の既往、喫煙の有無、合併症の有無、身長、体重、血圧、降圧薬の種類と量、アスピリン内服の有無、その量と内服開始の週数、体外受精胚移植の有無)、あなたの妊娠分娩転帰(流産・死産の有無、妊娠高血圧症候群発症の有無、それに伴う合併症(HELLP症候群、子癇、脳卒中、胎盤早期剥離、肺水腫など)の有無、胎児機能不全の有無、分娩週数、分娩様式)、新生児の臨床背景と転帰(児の体重、性別、アプガースコア、胎盤重量、児のNICU入院の有無、児の合併症の有無)
・胎盤組織から得られる蛋白や遺伝子転写産物に関する情報

研究に利用する情報や試料の保管は、下記の研究担当者が管理します。個人情報に関する情報は、USBメモリなどに保存して、鍵の掛かるキャビネットに、論文発表後、試料は5年間、情報は10年間適切に補完します。保管期間の終了後は、本研究に関する情報を廃棄する場合、匿名化した後に廃棄します。

個人情報の取扱い

1.個人情報は研究のために特定した目的、項目に限り適正に取得、利用します。
2.取得した情報を用いて解析した研究の結果は、論文や学会発表として公表されますが、公表される情報には個人を特定し得る情報は含まれませんのでご安心ください。
3.取得した情報は万全な安全管理対策を講じ、適切に保護し慎重に取り扱います。
4.個人が特定できる情報(氏名・生年月日・カルテ番号・住所・電話番号)が熊本大学から外部に出ることはありません。
5.本研究で取得し管理している情報に関して、開示、訂正、削除、あるいは第三者への開示、提供の停止を希望される方は、下記の担当者までご相談ください。
6.一般的な質問がある方は、下記の対応窓口までご連絡ください。

研究成果に関する情報の開示・報告・閲覧の方法

本研究では、絨毛検査を受けられた研究対象者に対して研究成果を開示する予定はありません。しかしながら、試料や情報を提供された研究対象者が、研究結果の開示を求める場合には、下記の研究担当者が対応します。下記の連絡先までご連絡ください。研究の過程で偶発的に対象者の健康に関する重要な情報が得られた際には、研究室内でその情報の取り扱いに関して協議する予定です。

利益相反について

本研究は、国から交付された研究費(科学研究費)や熊本大学産科婦人科の関連施設からの寄付金によって行われる予定で、本研究に関与する研究者は皆研究費を公正に使用し、本研究の公正さに影響を及ぼすような利害関係はありません。本研究における利益相反に関する状況は、熊本大学大学院生命科学研究部等臨床研究利益相反審査委員会の審査を経て、熊本大学大学院生命科学研究部長へ報告しています。

本研究参加へのお断りの申し出について

この研究に、ご自分のデータを使用してほしくないと思われる場合は、その旨下記の対応窓口までお申し出ください。それまでに収集されたデータを一切使わないようにすることができます。その場合でも、通常の診療などで不利益を受けることは全くありません。上記の調査期間中であれば、いつでもお断りいただけます。

本研究に関する問い合わせ

熊本大学大学院生命科学研究部 産科婦人科学
担当者:山口宗影
熊本大学病院 産科婦人科
〒860-8556 熊本市中央区本荘1-1-1 電話番号:096-373-5269

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