入局案内

卒前・卒後研修

医学生の教育

臨床実習としては産科婦人科と産直実習の2回にわたり学生が廻ってきます。学生に新来患者の予診を取らせる科は、熊大病院ではすっかり少なくなってしまいました。外来や手術実習のほか母子センターに隣接する臨床研修センターの腹腔鏡シミュレーターなどを利用して参加型の教育を心がけています。学生が自由に科を選択できる特別臨床実習では毎年のべ20名近くの学生が産婦人科を選択しており、卒業の時点で産婦人科を強く考えている学生が3~4名います。

取得可能な専門医資格

  • 日本産科婦人科学会・産婦人科専門医
  • 日本周産期新生児学会・周産期専門医
  • 日本婦人科腫瘍学会・婦人科腫瘍専門医
  • 日本生殖医学会・生殖医療専門医
  • 日本癌治療学会・がん治療認定医
  • 日本産科婦人科内視鏡学会・技術認定医
  • 日本超音波医学会・超音波専門医
  • 日本臨床細胞診学会・細胞診専門医

臨床研修の特徴

産婦人科は、周産期医学,生殖医学,婦人科腫瘍医学など広範な分野に及ぶ内科的な管理と外科的管理の両方を行う科です。医師としての成長に伴って自分の適正に応じた分野を選択することができます。
産婦人科医師不足は国にとって喫緊の課題でありますが、ほんとうに求められているのは数をこなす医師ではなく、質の高い医療を提供できる産婦人科医です。
我々は、後進を指導できる産婦人科医師を育成することを目指しています。

周産期医学:生命誕生の手助けをする喜びを経験できる唯一の科であることは言うまでもありません。
当院の母子センターは12床のNICU, 6床のMFICUを有し、年間200例近い母体・新生児搬送に対応しており、平成23年4月に熊本県の総合周産期母子医療センターに指定されました。
出生前診断と遺伝カウンセリング、産褥期うつなどにも積極的に取り組んでいます。

生殖医学:生殖補助医療の発達、骨粗鬆症など、生殖医学に関わる問題は増加しています。
当科では体外受精・胚移植を含めた系統的な生殖補助医療を行っているほか、子宮内膜症やPCOSそして思春期発来異常の治療ならびに基礎的・臨床的研究に力を入れています。

婦人科腫瘍医学:産婦人科における腫瘍医学では、診断から治療までを単一の科で扱うことができ、手術療法、放射線療法、化学療法などを組み合わせて治療にあたります。
当科は九州の医療機関の中でもっとも多くの婦人科がん症例を扱う施設のひとつであり、全国的にみても良好な治療成績を挙げています。

産婦人科が多忙な診療科のひとつであることは否定しませんが、ワークシェアリングが可能なことは大学病院の利点といえます。
夏冬各1週間の休暇や産後の育休期間を確保しているほか、当院の産科では他大学病院と比較しても類のない充分な時間外手当を支給しています。
また医局員の学会出席・発表を奨励し、旅費・参加費の援助を行っています。

研修実施責任者

 片渕 秀隆 教授

研修指導責任者

 大場 隆 准教授、  田代 浩徳 教授(保健学科)、  本田 律生 講師、  坂口 勲 講師

連絡先、見学・入局のご案内

 後期研修(専攻医研修)のお問い合わせは下記にお願いいたします。専門研修カリキュラムや女性医師の勤務体制に関することなど、お気軽にご相談下さい。
 また、週末・休日であっても見学を受け付けます。詳細は下記のホームページにアクセスして下さい。ご連絡をお待ちしています。

〒860-8556 熊本市中央区本荘1-1-1
TEL 096-373-5269(直通) FAX 096-363-5164
熊本大学大学院生命科学研究部 産科婦人科学(医局長;坂口 勲)
E-mail: obgyn@kumamoto-u.ac.jp   HP: http://kumadai-obgyn.net/

後期臨床研修のご案内

熊本大学産婦人科研修プログラム

(熊本大学医学部附属病院産婦人科専門研修施設群)

 ※本研修プログラムは日本産科婦人科学会の一次審査を通過したものであり、まだ日本専門医機構の二次審査を踏まえて修正・変更があることをご承知ください。

1. 理念と使命

①産婦人科専門医制度の理念

 産婦人科専門医制度は、産婦人科専門医として有すべき診療能力の水準と認定のプロセスを明示する制度である。そこには医師として必要な基本的診療能力(コアコンピテンシー)と産婦人科領域の専門的診療能力が含まれる。そして、産婦人科専門医制度は、患者に信頼され、標準的な医療を提供でき、プロフェッショナルとしての誇りを持ち、患者への責任を果たせる産婦人科専門医を育成して、県民、国民の健康に資する事を目的とする。特に、本プログラムは、基幹施設である熊本大学医学部附属病院において高度な医療に携わり本邦の標準治療や先進的な医療を経験し学ぶとともに、地域医療を担う連携病院での研修を経て熊本県の医療事情を理解し、地域の実情に合わせた実践的な医療も行えるように訓練され、基本的臨床能力獲得後は産婦人科専門医として熊本県全域を支える人材の育成を行う理念を持つ。

 

②産婦人科専門医の使命

 産婦人科専門医は産婦人科領域における広い知識、錬磨された技能と高い倫理性を備えた産婦人科医師である。しかしながら、本プログラムを修了し専門医の認定を受けたとしても、それは自己研鑽の単なる通過点に過ぎない。産婦人科専門医は常に最新の情報を学び、新しい技術を修得し、標準的な医療を安全に提供し、疾病の予防、早期発見、早期治療に努め、自らの診療能力をより高めることを通じて産婦人科医療全体の水準をも高めて、女性を生涯にわたって最善の医療を提供してサポートすることを使命とする。また、将来の医療の発展のために研究マインドを持ち基礎研究、臨床研究を実際に行うことが求められる。

 

2 専門研修の目標

①専門研修後の成果

 専門研修修了後の産婦人科専門医は、生殖・内分泌領域、婦人科腫瘍領域、周産期領域、女性のヘルスケア領域の4領域にわたり、十分な知識・技能を持ち、標準的な医療の提供を行う。また、産婦人科専門医は必要に応じて産婦人科領域以外の専門医への紹介・転送の判断を適切に行い、産婦人科領域以外の医師からの相談に的確に応えることのできる能力を備える。産婦人科専門医はメディカルスタッフの意見を尊重し、患者から信頼され、地域医療を守る医師である。

 熊本大学医学部附属病院産婦人科専門研修施設群(以下、熊大産婦人科施設群)での研修終了後はその成果として、主として熊本県の医療機関において産婦人科医療を中心的に支える役割を担い、もし本人の希望により本施設群以外(県外を含め)での就業を希望する場合にも、いずれの医療機関でも不安なく産婦人科診療にあたる実力を獲得している事を要する。また、希望者はSubspecialty領域専門医の研修や大学院などでの研究を開始する準備が整っている事を本施設群での研修が果たすべき成果である。

 

②到達目標(修得すべき知識・技能・態度など)

i 専門知識

 資料1「産婦人科専門研修カリキュラム」参照

 熊大産婦人科施設群専門研修では、知識を単に暗記するだけではなく、知識を駆使して一人一人の患者の全身状態、社会的特性に配慮しそれぞれに最適な医療を提供する計画を立て実行する能力の修得をもって目標への到達とする。

ii 専門技能(診察、検査、診断、処置、手術など)

 資料1「産婦人科専門研修カリキュラム」参照

 熊大産婦人科施設群専門研修では、本カリキュラムの診断・治療技能修得は最低限必要なものであり、修得するまでの最短期間は3年間(基幹施設での6ヶ月以上の研修を含む)であるが、修得が不十分な場合、修得できるまで研修期間を1年単位で延長する。一方でカリキュラムの技術を修得したと認められた専攻医には積極的にSubspecialty領域専門医取得に向けた技能教育を開始し、また大学院進学希望者には臨床研修と平行して研究の下準備を開始させる。

iii 学問的姿勢

 医学・医療の進歩に遅れることなく、常に研鑽、自己学習する。患者の日常的診療から浮かび上がるクリニカルクエスチョンを日々の学習により解決し、今日のエビデンスでは解決し得ない問題は臨床研究に自ら参加、もしくは企画する事で解決しようとする姿勢を身につける。学会に積極的に参加し、基礎的あるいは臨床的研究成果を発表する。得られた成果は論文として発表して、公に広めると共に批評を受ける姿勢を身につける。

 熊大産婦人科施設群は多くの多施設共同臨床研究に参加しており、研修の一環として臨床試験のプロトコールに則った診療を行う事で、専門医取得後に自らが臨床試験を主体的に実施する能力を養う。基幹病院、連携病院のいずれにおいても学会に出席し、自らも発表する機会を積極的に与える。

iv 医師としての倫理性、社会性など

1) 医師としての責務を自律的に果たし信頼されること(プロフェッショナリズム)

 医療専門家である医師と患者を含む社会との契約を十分に理解し、患者、家族から信頼される知識・技能および態度を身につける。

 指導医である主治医とともに患者・家族への診療に関する説明に参加し、研修終了予定の年度においては指導医のバックアップのもと自らが患者に説明するスキルを身につける。

2) 患者中心の医療を実践し、医の倫理・医療安全に配慮すること

 患者の社会的・遺伝学的背景もふまえ患者ごとに的確な医療を実践できる。医療安全の重要性を理解し事故防止、事故後の対応がマニュアルに沿って実践できる。

 インシデント、オカレンスレポートの意義を理解し、これを積極的に活用する。患者に何らかの危険が生じた場合にはその経験と反省を共有し次の機会には安全な医療を提供できるようになる。

3) 臨床の現場から学ぶ態度を修得すること

 臨床の現場から学び続けることの重要性を認識し、その方法を身につける。

 医師は臨床の現場から学ぶ事が多く、それは尽きる事がない事を自覚するようになる。「患者から学ぶ」を言葉のみならず、常に意識し感謝の念を持って実践できるようになる。特に熊大産婦人科施設群の地域連携施設での研修では、地域の実情に合わせた医療の提供について患者や地域社会から学び、実践できるようになる。

4) チーム医療の一員として行動すること

 チーム医療の必要性を理解しチームのリーダーとして活動できる。的確なコンサルテーションができる。他のメディカルスタッフと協調して診療にあたることができる。

 建設的な発言をためらわずにする事ができるとともに、他のスタッフの意見を受け入れ、議論を通してより良い医療をチームとして提供できる。

5) 後輩医師に教育・指導を行うこと

 自らの診療技術、態度が後輩の模範となり、また形成的指導が実践できる。

 熊大産婦人科施設群での研修中は能力に応じて学生実習の一端も荷なう。教える事が学ぶ事につながる経験を通し、先輩からだけではなく後輩からも常に学ぶ姿勢を身につける。

6) 保健医療や主たる医療法規を理解し、遵守すること

 健康保険制度を理解し保健医療をメディカルスタッフと協調し実践する。医師法・医療法(母体保護法[人工妊娠中絶、不妊手術])健康保険法、国民健康保険法、老人保健法を理解する。診断書、証明書が記載できる(妊娠中絶届出を含む)。

 

③経験目標(種類、内容、経験数、要求レベル、学習法および評価法等)

i経験すべき疾患・病態

 資料1「産婦人科専門研修カリキュラム」参照

 熊大産婦人科施設群専門研修では、基幹施設で経験しにくい疾患(性病、性器脱など)については主に地域医療を支える連携医療機関で十分に経験できるよう、ローテート先を考慮する。

ii経験すべき診察・検査等

 資料1「産婦人科専門研修カリキュラム」参照

 熊大産婦人科施設群では経験すべき診察・検査等は十分に経験できる。

iii 経験すべき手術・処置等

 資料2「修了要件」参照

 熊大産婦人科施設群専門研修では修了要件の2-3倍以上の症例を3年間で経験できる。ただし、経験数が多ければ技能を修得できる訳ではなく、年数をかけてでも技能を修得する事を目標とする。一方で、3年を待たずして技能を取得できたと判断する場合には、より高度な技能の経験を開始する。

iv地域医療の経験(病診・病病連携、地域包括ケア、在宅医療など)

・本プログラムでは地域医療の経験を必須とする。このため本プログラムにおいては、①産婦人科専門研修制度の他の専門研修プログラムの基幹施設となっていないこと、②熊本市以外にある連携施設(東京慈恵会医科大学附属病院を含まない)または連携施設(地域医療)註1)であることの2つを満たす施設で通算1ヶ月以上の研修を行うことを必須とする。この必須の期間には連携施設(地域医療-生殖)註2)での研修を含めない。ただし、指導医のいない施設での研修は12ヶ月以内とする。

・熊大産婦人科施設群に属する連携施設の多くは、熊本県が定める医師不足地域に属する。このため地域医療特有の産婦人科診療を経験し、地域の医療資源や救急体制について把握し、地域の特性に応じた病診連携、病病連携のあり方について理解して実践できる。

・地域医療においては県ならびに市町村の行政者との連携も緊密で、妊婦の保健指導や相談、支援に関与したり、婦人科がん患者の緩和ケアなど、ADLの低下した患者に対して、開業医との連携で在宅医療の立案に関与できる。また、地域から高度な医療を受けるため熊本大学で治療を受けいれたがん患者が、best supportive careを要する状態に至った際に、その患者の居住区を勘案して、地域の緩和ケア専門施設などを活用した医療を立案することができるようになる。

 熊大産婦人科施設群は人口に比して産婦人科医が相当に少ない連携施設を擁する。これらの連携施設には地域医療が果たすべき役割があり、地域医療の特性を学べる。また、多くの人が働く大学病院とは異なり、比較的少人数で構成される医療施設には独特の人間関係がある。患者の特性も地域により異なる部分がある。所に応じたスタッフや患者との人間関係の形成を通して、多様な地域、人との適切な関わり方を身につける。

 

*註1)連携施設(地域医療):専門研修指導医が在籍していないが専門医が常勤として在籍しており、基幹施設または他の連携施設の指導医による適切な指導のもとで、産婦人科に関わる地域医療研修を行うことができる施設。産婦人科専門研修制度の他の専門研修プログラムも含め基幹施設となっておらず、かつ政令指定都市(東京23区を含む)以外にある施設。

*註2)専門研修指導医が常勤として在籍しておらず、かつ、産婦人科に関わる必須の地域医療研修を行うことはできないが、専門医が常勤として在籍しており、基幹施設または他の連携施設の指導医による適切な指導のもとで、地域における生殖補助医療の研修を行うことができる施設。

 

v 学術活動

 以下の2点が修了要件に含まれている。

1) 日本産科婦人科学会学術講演会などの産婦人科関連の学会・研究会で筆頭者として1回以上発表していること。

2) 筆頭著者として論文1編以上発表していること。(註1)

註1)産婦人科関連の内容の論文で、原著・総説・症例報告のいずれでもよいが、抄録、会議録、書籍などの分担執筆は不可である。査読制(編集者による校正を含む)を敷いている雑誌であること。査読制が敷かれていれば商業誌でも可であるが院内雑誌は不可である。ただし医学中央雑誌またはMEDLINEに収載されており、かつ査読制が敷かれている院内雑誌は可とする。

 熊大産婦人科施設群では基幹施設には研修中は1回以上の産婦人科関連学会での学会発表を専攻医に行わせる事を義務づける。さらに短期間の連携施設での研修を除き、連携施設においても1回以上の学会発表の機会を専攻医に与える事を努力目標とし、この目標を達成した連携施設へ専攻医の研修を優先的に依頼する。論文は専攻医一人一人に研修開始から3ヶ月以内に担当指導医1人をつけ、責任を持って研修修了までに作成させる。学会発表も論文作成も専門医が自ら努力し行うべき職責であることを指導する。

 

3 専門研修の方法

①臨床現場での学習

・診療科におけるカンファレンスおよび関連診療科との合同カンファレンスを通して病態と診断過程を深く理解し、治療計画作成の理論を学ぶ。

・抄読会や勉強会を実施し、インターネットによる情報検索を行う。

・子宮鏡、コルポスコピーなど検査方法を学ぶ。

・積極的に手術の執刀・助手を経験する。その際に術前のイメージトレーニングと術後の詳細な手術記録を実行する。

・手術手技をトレーニングする設備や教育DVDなどを用いて手術手技を学ぶ。

・2年次以後に外来診療が行えるように、ガイドラインなどを用いて外来診療のポイントを学ぶ。

 指導医は上記の事柄について、責任を持って指導する。本プログラムにおいては基幹施設である熊本大学医学部附属病院産婦人科で6ヶ月以上、24ヶ月以内の研修を行う。(1つの連携施設での研修も通算24ヶ月以内とする)。

 

 

 熊大産婦人科施設群では原則として基幹施設から研修を開始し、ステップアップ方式(手術を例にとれば第2助手(視野の確保、出血を拭うタイミング、クーパーによる結紮糸の切断・・・)を修得→第1助手(視野の展開、糸の結紮、術者の誘導に従って電気メスでの組織切開・・・)を修得→執刀医(皮膚切開、組織の把持・切開・切断、止血、癒着剥離、縫合・・・)を修得→施設責任者あるいは責任者に準じる経験豊富な指導医による最終的な修得の認定)によって無理をせず安全かつ確実に現場で身に付けるべき技能を修得する。修了要件にある事項については、専攻医一人一人が達成度記録を持ち、連携施設でも各段階の修得レベルを指導医が確認し、次のステップに進ませる。

②臨床現場を離れた学習

日本産科婦人科学会の学術集会(特に教育プログラム)、日本産科婦人科学会のe-learning、連合産科婦人科学会、各都道府県産科婦人科学会などの学術集会、その他各種研修セミナーなどで、下記の機会が設けられている。

 ・ 標準的医療および今後期待される先進的医療を学習する機会

 ・ 医療安全等を学ぶ機会

 ・ 指導法、評価法などを学ぶ機会

 熊大産婦人科施設群ではこれらの機会に参加できるようにできるだけ調整を行うが、同じ学習機会に全専攻医が参加する事はできない。専攻医間で自立的に調整する事でお互いの立場を思いやる精神を育てる。最終的には熊本大学医学部附属病院産婦人科専門研修施設群プログラム管理委員会(以下、本プログラム管理委員会)は専攻医が受講すべき講習などに3年の間には漏れなく参加できるよう調整する。

③自己学習

 最新の「産婦人科研修の必修知識」を熟読し、その内容を深く理解する。また、産婦人科診療に関連する各種ガイドライン(婦人科外来、産科、子宮頸がん治療、子宮体がん治療、卵巣がん治療、生殖医療、ホルモン補充療法など)の内容を把握する。また、e-learningによって、産婦人科専攻医教育プログラムを受講することもできる。さらに、教育DVD等で手術手技を研修できる。

 

④専門研修中の年度毎の知識・技能・態度の修練プロセス

・専門研修1年目

 内診、直腸診、経腟エコー、通常超音波検査、胎児心拍モニタリングの解釈ができるようになる。正常分娩を指導医・上級医の指導のもとで取り扱える。上級医の指導のもとで通常の帝王切開、子宮内容除去術、子宮付属器摘出術ができる。

・専門研修2年目

 妊婦健診および婦人科の一般外来ができるようになる。正常および異常な妊娠・分娩経過を判別し、問題のある症例については指導医・上級医に確実に相談できるようになる。正常分娩を一人で取り扱える。指導医・上級医の指導のもとで通常の帝王切開、腹腔鏡下手術ができる。指導医・上級医の指導のもとで患者・家族へのICができるようになる。

・専門研修3年目

 3年目には専攻医の修了要件全てを満たす研修を行う(資料2 修了要件参照)。帝王切開の適応を一人で判断できるようになる。通常の帝王切開であれば同学年の専攻医と一緒にできるようになる。指導医・上級医の指導のもとで前置胎盤症例など特殊な症例の帝王切開ができるようになる。指導医・上級医の指導のもとで癒着があるなどやや困難な症例であっても、腹式単純子宮全摘術ができる。悪性手術の手技を理解して助手ができるようになる。一人で患者・家族へのICができるようになる。

 以上の修練プロセスはモデルであり、専攻医の達成程度により研修年にとらわれすぎずに柔軟に運用する。3年という期間で研修を修了する事が目的ではなく、専門医にふさわしい知識・技能・態度を最終的に修得する事を目的とする。修得に時間がかかっても専門医として恥ずかしくない産婦人科医を育てるのが熊大産婦人科施設群専門研修のポリシーである。ただし熊大産婦人科施設群には専攻医の研修に十分な症例数があり、通常はモデル修練プログラムに先行して知識・技能・態度を修得できると考えている。そのため、修得が早い専攻医には3年に満たなくとも次のステップの研修を体験させる方針である。

⑤研修コースの具体例(資料3)

 熊大産婦人科施設群では専門研修コースの具体例として、資料3に「産婦人科専門医養成コース」についての説明がある。このほか専門医取得後の「産婦人科専門医大学院進学コース」、長期休職後の「復帰支援コース」、労働時間等に配慮をした「女性医師支援コース」を設けている。また、熊本大学医学部附属病院産婦人科には短期(1〜3ヶ月)の短期留学制度(* ASAN Medical Center)が後期研修医を対象に設けられており、プログラム統括責任者と相談の上これに応募することも可能である。その場合。この他の理由(産休, 病気療養など)を合わせても6ヶ月以内の休職期間であれば、最短3年間での研修修了が可能である。

 専門医取得後には、「Subspecialty産婦人科医養成プログラム」Subspecialty専門医取得を目指す臨床研修や、リサーチマインドの醸成および医学博士号取得を目指す研修が可能である。

 また本プログラム管理委員会は、熊本大学医学部附属病院総合臨床センターと協力し、大学卒業後2年以内の初期研修医の希望に応じて、将来産婦人科を目指すための初期研修プログラム作成にもかかわる。

 

4 専門研修の評価(註2)

①形成的評価

1)     フィードバックの方法とシステム

 専攻医が、研修中に自己の成長を知るために、形成的評価を行う。少なくとも12ヶ月に1度は専攻医が研修目標の達成度と態度および技能について日本産科婦人科学会専攻医研修オンライン管理システムを用いて記録し、指導医がチェックし評価する(専門医認定申請年の前年は総括的評価となる)。態度についての評価には、自己評価に加えて、指導医による評価、施設ごとの責任者(プログラム統括責任者あるいは連携施設の責任者)による評価、看護師長などの他職種の意見を取り入れた上での評価が含まれている。

2)指導医層のフィードバック法の学習(FD)

 日本産科婦人科学会が主催あるいは承認のもとで連合産科婦人科学会が主催する産婦人科指導医講習会において、フィードバックの方法について講習が行われている。本施設群の指導医は少なくとも3年に1回はこの講習を受講している。

 

②総括的評価

1)評価項目・基準と時期

  項目の詳細は「資料2修了要件」に記されている。総括的評価は専門医認定申請年(3年目あるいはそれ以後)の3月末時点での日本産科婦人科学会専攻医研修オンライン管理システムを用いての研修記録および評価、さらに専門研修の期間、形成的評価が決められた時期に行われていたという記録も含めて行われる。

 

 

評価項目に含まれる。手術・手技については、専門研修プログラム統括責任者または専門研修連携施設担当者が、 に基づき、経験症例数に見合った技能であることを確認する。

2)評価の責任者

 総括的評価の責任者は、専門研修プログラム統括責任者である。

3)修了判定のプロセス

 専攻医は専門医認定申請年度には速やかに専門研修プログラム管理委員会に修了認定の申請を行う。本プログラム管理委員会は資料2の修了要件が満たされていることを確認し、5月末までに修了判定を行い、研修証明書を専攻医に送付する。専攻医は各都道府県の地方委員会に専門医認定試験受験の申請を行う。地方委員会での審査を経て、日本産科婦人科学会中央専門医制度委員会で専門医認定受験の可否を決定する。

 

5 専門研修施設とプログラムの認定基準

①  専門研修基幹施設の認定基準

 熊本大学医学部附属病院産婦人科は以下の専門研修基幹施設の認定基準を満たしている。

1) 初期研修における基幹型臨床研修病院であること。

2) 同一施設内で他科との連携による総合診療が可能で(少なくとも内科、外科、泌尿器科、麻酔科、小児科(または新生児科)の医師が常勤していること)、救急医療を提供していること。

3) 分娩数が(帝王切開を含む)申請年の前年1月から12月までの1年間に少なくとも150件程度あること。

4) 開腹手術が帝王切開以外に申請年の前年1月から12月までの1年間に150件以上あること(この手術件数には腹腔鏡下手術を含めることができるが、腟式手術は含めない)。

5) 婦人科悪性腫瘍(浸潤癌のみ)の治療実数が申請年の前年1月から12月までの1年間に30件以上あること(手術件数と同一患者のカウントは可とする)。

6) 生殖・内分泌および女性のヘルスケアについて専門性の高い診療実績を有していること。

7) 申請年の前年12月末日までの5年間に、当該施設(産婦人科領域)の所属である者が筆頭著者として発表した産婦人科領域関連論文(註1)が10編以上あること。

4頁、註1参照)産婦人科関連の内容の論文で、原著・総説・症例報告のいずれでもよいが抄録、会議録、書籍などの分担執筆は不可である。査読制(編集者により校正を含む)を敷いている雑誌であること。査読制が敷かれていれば商業誌でも可であるが院内雑誌は不可である。但し医学中央雑誌又はMEDLINEに収載されており、かつ査読制が敷かれている院内雑誌は可とする。掲載予定の論文を提出することもできるが、申請年度の前年12月31日までに掲載が決まった論文とする。掲載予定の論文を提出する場合は論文のコピーと掲載証明書の提出を必須とする。 

8) 産婦人科専門医が4名以上常勤として在籍し、このうち専門研修指導医が2名以上であること。

9) 周産期、婦人科腫瘍の各領域に関して、日本産科婦人科学会登録施設として症例登録および調査等の業務に参加すること。

10) 症例検討会、臨床病理検討会、抄読会、医療倫理・安全等の講習会が定期的に行われていること。

11) 学会発表、論文発表の機会を与え、指導ができること。

12) 日本産科婦人科学会が認定する専門研修プログラムを有すること。

13) 施設内に専門研修プログラム管理委員会を設置し、専攻医および専門研修プログラムの管理と、専門研修プログラムの継続的改良ができること。

14) 日本産科婦人科学会中央専門医制度委員会のサイトビジットを受け入れ可能であること。

 

②  専門研修連携施設の認定基準

 以下の1)〜4)を満たし、かつ、当該施設の専門性および地域性から専門研修基幹施設が作成した専門研修プログラムに必要とされる施設が認定基準であり、熊大産婦人科施設群の専門研修連携施設(資料4)はすべてこの基準を満たしている。

1) 下記a) b) c)のいずれかを満たす(専門研修指導医がいない下記b)c)の施設での研修は通算で12ヶ月以内とする)。

a)  連携施設:専門研修指導医が1名以上常勤として在籍する。

b)  連携施設(地域医療):専門研修指導医が在籍していないが専門医が常勤として在籍しており、基幹施設または他の連携施設の指導医による適切な指導のもとで、産婦人科に関わる地域医療研修(3-④)を行うことができる。産婦人科専門研修制度の他の専門研修プログラムも含め基幹施設となっておらず、かつ政令指定都市以外にある施設。

c)  連携施設(地域医療-生殖):専門研修指導医が常勤として在籍しておらず、かつ、産婦人科に関わる必須の地域医療研修(3-④)を行うことはできないが、専門医が常勤として在籍しており、基幹施設または他の連携施設の指導医による適切な指導のもとで、地域における生殖補助医療の研修を行うことができる。

 

2) 女性のヘルスケア領域の診療が行われていることに加えて、申請年の前年1月から12月までの1年間に、a)体外受精(顕微授精を含む)30サイクル以上、b)婦人科良性腫瘍の手術が100件以上 c)婦人科悪性腫瘍(浸潤癌のみ)の診療実数が30件以上、d)分娩数(帝王切開を含む)が100件以上の3つのうち、いずれか1つの診療実績を有する。ただし日本産科婦人科学会中央専門医制度委員会が地域医療のために必要と判断する場合、この診療実績を満たさなくとも、特例で連携施設(地域医療)として認められることがある。

 

3) 所属する専門研修施設群の基幹施設が作成する専門研修プログラムに沿った専攻医の指導が出来ること。

4) 専門研修プログラム連携施設担当者は、所属する専門研修施設群の基幹施設が設置する本プログラム管理委員会に参加し、専攻医および専門研修プログラムの管理と、専門研修プログラムの継続的改良に携われること。

 

③  専門研修施設群の構成要件

 熊大産婦人科施設群は、基幹施設、連携施設共に委員会組織を置き、専攻医に関する情報を定期的に共有するために本プログラム管理委員会を年に1回以上開催する。基幹施設、連携施設ともに、毎年4月30日までに、本プログラム管理委員会に以下の報告を行う。1つの連携施設での研修も通算24ヶ月以内とする。

 

1) 前年度の診療実績

 a) 病院病床数、b) 産婦人科病床数、c) 1日あたり産婦人科外来患者数、d) 経腟分娩件数、e) 帝王切開件数、f) 婦人科良性腫瘍(類腫瘍を含む)手術件数、g) 婦人科悪性腫瘍(浸潤癌を含む)の診療実数、h) 腹腔鏡下手術件数、i)体外受精サイクル数。

2) 専門研修指導医数および専攻医数

 a) 前年度の専攻医の指導実績、b) 今年度の産婦人科専門医および専攻医指導医の人数、c)今年度の専攻医数、d)次年度の専攻医受け入れ可能人数。

3) 前年度の学術活動

 a) 学会発表、b) 論文発表

4) 施設状況

 a) 施設区分、b) 指導可能領域、c) 産婦人科カンファレンス、d) 他科との合同カンファレンス、e) 抄読会、f) 机、g) 図書館、h) 文献検索システム、i) 医療安全・感染対策・医療倫理に関する研修会。

5) Subspecialty領域の専門医数

 Subspecialty領域への連続的な育成を考慮して、下記専門医数についても把握しておく。a) 周産期専門医(母体・胎児)、b) 婦人科腫瘍専門医、c) 生殖医療専門医、d) 女性ヘルスケア専門医、e) 内視鏡技術認定医、f) 臨床遺伝専門医、g) 細胞診専門医。

 

④  専門研修施設群の地理的範囲

 熊大産婦人科施設群(資料4)は熊本県および東京都内の施設群(東京慈恵会医科大学産婦人科研修プログラム)である。

 

⑤専攻医受入数についての基準

 各専攻医指導施設における専攻医総数の上限(3学年分)を本施設群では指導医数×3とする。本施設群の指導医数の合計は72名であるが、当施設群で十分な研修を行える人数として3学年で20名までを本研修プログラムの受け入れ可能人数上限とする。

この基準に基づき、本プログラム管理委員会は各施設の専攻医受け入れ数を決定する。

 

⑥地域医療・地域連携への対応

 産婦人科専門医制度は、地域の産婦人科医療を守ることを念頭に置いている。専攻医のプログラムとしては、専攻医が地域中核病院・地域中小病院において外来診療、夜間当直、救急診療を行うことや、病診連携、病病連携を円滑にすすめられるようになれば、地域の産婦人科医療を守ることの研修とにつながると考えている。

 

⑦地域において指導の質を落とさないための方法

 本プログラム管理委員会は、専攻医に地域医療を経験させることを目的とする場合、指導医が不足しているなどの理由で専攻医指導施設の要件を満たしていなくても、専攻医を当該施設で研修させることができる。専門研修指導医が常勤していない場合であっても、常勤の専門医が1名以上いる事を条件に、専攻医を当該施設で研修させることができる。ただし、その場合は連携施設(地域医療)、連携施設(地域医療-生殖)の要件(6-②)を満たしている必要がある。必須研修としての地域医療は連携施設(地域医療-生殖)では行うことはできない。その場合、基幹施設や他の連携施設から担当指導医を決めて、専攻医の研修指導体制を明確にし、指導の質を落とさないようにする。

 

⑧研究に関する考え方

(1)産婦人科領域としては、専攻医が研究マインドを持つことが、臨床医としての成長につながると考えている。ただし、3年間以上常勤の臨床医として勤務することが専門医取得の必須条件であり、大学院の在籍や留学等によって、常勤の臨床医ではなくなる場合は、その期間は専門研修の期間には含めない。

(2)医学・医療研究にかかわる倫理指針を理解することは必須である。研修中に臨床研究を行ったり、治験、疫学研究に関わったりするように促す。また専攻医の希望によっては、基礎医学、社会医学、ヒトゲノム・遺伝子解析研究を行うことも考えられる。それらの研究は学会や論文で発表するよう指導する。

 

⑨診療実績基準

 熊大産婦人科施設群(資料4)は以下の診療実績基準を満たしている。

1. 基幹施設

1) 分娩数(帝王切開を含む)が申請年の前年1月から12月までの1年間に少なくとも150件程度あること。

2) 開腹手術が帝王切開以外に申請年の前年1月から12月までの1年間に150件以上あること(この手術件数には腹腔鏡下手術を含めることができるが、腟式手術は含めない)。

3) 婦人科悪性腫瘍(浸潤癌のみ)の治療実数が申請年の前年1月から12月までの1年間に30件以上あること(手術件数と同一患者のカウントは可とする)。

4) 生殖・内分泌および女性のヘルスケアについて専門性の高い診療実績を有していること。

2. 連携施設

女性のヘルスケア領域の診療が行われていることに加えて、申請年の前年1月から12月までの1年間に、1)体外受精(顕微授精を含む)30サイクル以上、2)婦人科悪性腫瘍(浸潤癌のみ)の診療実数が30件以上、 3)分娩数(帝王切開を含む)が100件以上の3つのうち、いずれか1つの診療実績を有する。

 産婦人科専門研修の修了要件には、日本産科婦人科学会中央専門医制度委員会の産婦人科領域研修委員会が定める学会・研究会で筆頭者として1回以上発表していること、および、日本産科婦人科学会中央専門医制度委員会が定めるの産婦人科領域研修委員会が定める医学雑誌に筆頭著者として論文1編以上発表していることが含まれている。

 

⑩Subspecialty領域との連続性について

 産婦人科専門医を取得した者は、産婦人科専攻医としての研修期間以後にSubspecialty領域の専門医のいずれかの取得を希望する事ができる。Subspecialty領域の専門医には生殖医療専門医、婦人科腫瘍専門医、周産期専門医(母体・胎児)があり、それぞれの取得条件に産婦人科専門医であることが明記されているが、症例の重複は認められていない。なお、女性ヘルスケア専門医については、日本専門医機構においてSubspecialty専門医としての認定を現在は受けていないが、認定を申請中であり、産婦人科専門医取得後のSubspecialty専門医は上記4つとなることが見込まれる。Subspecialty専門医取得を希望せず、産婦人科領域のGeneralistとして就業を希望する場合にも、生涯研修の機会を提供する。

 

⑪産婦人科研修の休止・中断、プログラム移動、プログラム外研修の条件

1)専門研修プログラム期間のうち、出産に伴う6ヶ月以内の休暇は1回までは研修期間にカウントできる。また、疾病での休暇は6ヵ月まで研修期間にカウントできる。なお、疾病の場合は診断書を、出産の場合は出産を証明するものの添付が必要である。

2)週20時間以上の短時間雇用の形態での研修は3年間のうち6ヵ月まで認める。

1)3)上記1)、2)に該当する者は、その期間を除いた常勤での専攻医研修期間が通算2年半以上必要である。本専門研修制度上、常勤の定義は、週 32 時間以上の勤務とする。ただし、育児短時間勤務制度を利用している場合は、常勤の定義を週 30 時間以上の勤務とする。

 

4)留学、常勤医としての病棟または外来勤務のない大学院の期間は研修期間にカウントできない。

5)専門研修プログラムを移動する場合は、日本産科婦人科学会中央専門医制度委員会に申請し、承認が得られた場合にこれを可能とする。

6) ストレートに専門研修を修了しない場合、研修期間は1年毎の延長とする。

 

6専門研修プログラムを支える体制

①  専門研修プログラムの管理運営体制の基準

 熊大産婦人科施設群の専攻医指導基幹施設である熊本大学医学部附属病院産婦人科には、専門研修プログラム管理委員会と、統括責任者(委員長)を置く。各専攻医指導連携施設には、連携施設担当者と委員会組織を置く。本プログラム管理委員会は、委員長、副委員長、事務局代表者、産科婦人科の4つの専門分野(周産期、婦人科腫瘍、生殖医学、女性ヘルスケア)の研修指導責任者、必要に応じてプログラム統括責任者が指名する女性医師代表者、および連携施設担当委員で構成される(資料5)。本プログラム管理委員会は、専攻医および専門研修プログラム全般の管理と、専門研修プログラムの継続的改良を行う。また、オブザーバーとして専攻医を委員会会議の一部に参加させる事ができる。

 連携施設には専門研修プログラム連携施設担当者と委員会組織を置く。

②基幹施設の役割

 専門研修基幹施設は連携施設とともに研修施設群を形成する。基幹施設に置かれたプログラム統括責任者は、総括的評価を行い、修了判定を行う。また、プログラムの改善を行う。

③専門研修指導医の基準

I. 指導医認定の基準

以下の(1)~(4)の全てを満たすことを指導医認定の基準とする。

 (1) 申請する時点で、常勤産婦人科医として勤務しており、産婦人科専門医の更新履歴が1回以上ある者

(2)専門研修施設群の専門研修プログラム管理委員会により、産婦人科専攻医研修カリキュラムに沿って専攻医を指導する能力を有すると認定されている者

(3) 産婦人科に関する論文で、次のいずれかの条件を満たす論文が2編以上ある者(4頁、註1参照)

①自らが筆頭著者の論文

②第二もしくは最終共著者として専攻医を指導し、専攻医を筆頭著者として発表した論文。産婦人科関連の内容の論文で、原著・総説・症例報告のいずれでもよいが抄録、会議録、書籍などの分担執筆は不可である。査読制(編集者により校正を含む)を敷いている雑誌であること。査読制が敷かれていれば商業誌でも可であるが院内雑誌は不可である。但し医学中央雑誌又はMEDLINEに収載されており、かつ査読制が敷かれている院内雑誌は可とする。

(4) 日本産科婦人科学会が指定する指導医講習会を2回以上受講している者(註3)

註3) 指導医講習会には①日本産科婦人科学会学術講演会における指導医講習会、②連合産科婦人科学会学術集会における指導医講習会、③e-learning による指導医講習、④第65回および第66回日本産科婦人科学会学術講演会において試行された指導医講習会が含まれる。指導医講習会の回数にはe-learningによる指導医講習を1回含めることができる。ただし、出席した指導医講習会と同じ内容のe-learningは含めることができない。

II. 指導医更新の基準(暫定指導医が指導医となるための基準も同じ)

(1) 常勤の産婦人科専門医として産婦人科診療に従事している者

(2) 専攻医指導要綱に沿って専攻医を指導できる者

(3) 直近の5年間に産婦人科に関する論文(4頁、註1参照)が2編以上(筆頭著者、第二もしくは最終共著者であることは問わない)ある者

(4) 日本産科婦人科学会が指定する指導医講習会を2回以上受講している者(13頁、註3参照)

④プログラム管理委員会の役割と権限

・専門研修を開始した専攻医の把握

・専攻医ごとの、総括的評価・症例記録・症例レポートの内容確認と、今後の専門研修の進め方についての検討

・研修記録、総括的評価に基づく、専門医認定申請のための修了判定

・それぞれの専攻医指導施設の前年度診療実績、施設状況、指導医数、現在の専攻医数に基づく、次年度の専攻医受け入れ数の決定

・専攻医指導施設の評価に基づく状況把握、指導の必要性の決定

・研修プログラムに対する評価に基づく、研修プログラム改良に向けた検討

・サイトビジットの結果報告と研修プログラム改良に向けた検討

・研修プログラム更新に向けた審議

・翌年度の専門研修プログラム応募者の採否決定

・専攻医指導施設の指導報告

・研修プログラム自体に関する評価と改良について日本産科婦人科学会中央専門医制度委員会への報告内容についての審議

・専門研修プログラム連絡協議会の結果報告

 

⑤プログラム統括責任者の基準、および役割と権限

I. プログラム統括責任者認定の基準

(1) 申請する時点で専攻医指導施設もしくは最新の専攻医研修プログラムにおいて研修の委託が記載されている施設で、常勤の産婦人科専門医として合計10年以上産婦人科の診療に従事している者(専門医取得年度は1年とみなす。2回以上産婦人科専門医を更新した者)

(2) 専門研修基幹施設における常勤の専門研修指導医であり、専門研修プログラム管理委員会によりプログラム統括責任者として適していると認定されている者

(3) 直近の10年間に共著を含め産婦人科に関する論文が20編以上ある者(4頁、註1参照)

4頁、註1参照)産婦人科関連の内容の論文で、原著・総説・症例報告のいずれでもよいが抄録、会議録、書籍などの分担執筆は不可である。査読制(編集者により校正を含む)を敷いている雑誌であること。査読制が敷かれていれば商業誌でも可であるが院内雑誌は不可である。但し医学中央雑誌又はMEDLINEに収載されており、かつ査読制が敷かれている院内雑誌は可とする。

II. プログラム統括責任者更新の基準

(1) 専門研修基幹施設における常勤の専門研修指導医であり、専門研修プログラム管理委員会によりプログラム統括責任者として適していると認定されている者

(2) 直近の5年間に産婦人科専攻医研修カリキュラムに沿って専攻医を指導した者

(3) 直近の5年間に共著を含め産婦人科に関する論文が10編以上ある者(4頁、註1参照)

III.プログラム統括責任者資格の喪失(次のいずれかに該当する者)

(1)産婦人科指導医でなくなった者

(2)更新時に、更新資格要件を満たさなかった者

(3)プログラム統括責任者として不適格と判断される者

IV. プログラム統括責任者の役割と権限

 プログラム統括責任者は専門研修プログラム管理委員会を主催し、専門研修プログラムの管理と、専攻医および指導医の指導および専攻医の修了判定の最終責任を負う。

V. 副プログラム責任者

 プログラムで受け入れる専攻医が専門研修施設群全体で20名をこえる場合、副プログラム責任者を置き、副プログラム責任者はプログラム統括責任者を補佐する。

 

⑥連携施設での委員会組織

 専門研修連携施設には、専門研修プログラム連携施設担当者と委員会組織を置く。専門研修連携施設の専攻医が形成的評価と指導を適切に受けているか評価する。専門研修プログラム連携施設担当者は専門研修連携施設内の委員会組織を代表し専門研修基幹施設に設置される専門研修プログラム管理委員会の委員となる。

 

⑦労働環境、労働安全、勤務条件

すべての専門研修連携施設の管理者とプログラム統括責任者は、 「産婦人科勤務医の勤務条件改善のための提言」(平成25年4月、日本産科婦人科学会)に従い、「勤務医の労務管理に関する分析・改善ツール」(日本医師会)等を用いて、専攻医の労働環境改善に努めるようにしている。

専攻医の勤務時間、休日、当直、給与などの勤務条件については、労働基準法を遵守し、各施設の労使協定に従う。さらに、専攻医の心身の健康維持への配慮、当直業務と夜間診療業務の区別とそれぞれに対応した適切な対価を支払うこと、バックアップ体制、適切な休養などについて、勤務開始の時点で説明を受けるようになっている。

総括的評価を行う際、専攻医および指導医は専攻医指導施設に対する評価も行い、その内容は熊本大学産婦人科専門研修管理委員会に報告されるが、そこには労働時間、当直回数、給与など、労働条件についての内容が含まれる。

 

7専門研修実績記録システム、マニュアル等の整備

①研修実績および評価を記録し、蓄積するシステム

 7-③日本産科婦人科学会専攻医研修オンライン管理システムに研修実績を記載し、形成的評価、フィードバックを実施する。形成的評価は産婦人科研修カリキュラム(別紙)に則り、日本産科婦人科学会専攻医研修オンライン管理システムにより本プログラムの「4 専門研修の評価」の①形成的評価に従い少なくとも年1回行う(専門医認定申請年の前年は総括的評価となる)。

 熊大産婦人科施設群として、専攻医の研修履歴(研修施設、期間、担当した専門研修指導医)、研修実績、研修評価を記録する。さらに専門研修施設および専門研修プログラムに対する評価も記録する。

 記録の信頼性・客観性を担保し、かつ個人情報保護のために、記録には患者名などの個人情報は含めず、各施設の職員だけがアクセス権限を持つ、施設ごとの患者IDを用いる。データは当プログラム委員が管理する、鍵のかかる部屋に置かれたコンピューターで取り扱い、外付けハードディスクにバックアップを取る。コンピューターおよび外付けハードディスクにはログインのためのパスワードを設定する。

 

②  人間性などの評価の方法

形成的評価時、総括的評価時に日本産科婦人科学会専攻医研修オンライン管理システムを用いてプログラム統括責任者、施設責任者、医師以外のメディカルスタッフの評価を聞き取った指導医、専攻医自身により行う。

 

③プログラム運用マニュアル・フォーマット等の整備

 プログラム運用マニュアルは以下の専攻医研修マニュアルと指導者マニュアルを用いる。専攻医研修実績記録フォーマットと指導医による指導とフィードバックの記録を整備する。指導者研修計画(FD)の実施記録を整備する。

◉専攻医研修マニュアル

 別紙「専攻医研修マニュアル」(資料6)参照。

◉指導者マニュアル

 別紙「指導医マニュアル」(資料7)参照。

◉専攻医研修実績記録フォーマット

 日本産科婦人科学会専攻医研修オンライン管理システムのフォーマットに従い少なくとも1年に1回は形成的評価(専門医認定申請年の前年は総括的評価となる)により、学問的姿勢、生殖内分泌、周産期、婦人科腫瘍、女性のヘルスケアの各分野の形成的自己評価を行う。

 

研修を修了しようとする年度末には日本産科婦人科学会専攻医研修オンライン管理システムのフォーマットに従い総括的評価を行う。

 

年度末には総括的評価により評価を行う。

◉指導医による指導とフィードバックの記録

 日本産科婦人科学会専攻医研修オンライン管理システムに一定の経験数が記載され専攻医自身が形成的評価を行うごとに、指導医も形成的評価を行い記録し、評価者の講評を記録する。少なくとも1年に1回(専門医認定申請年の前年は総括的評価となる)は、学問的姿勢、生殖内分泌、周産期、婦人科腫瘍、女性のヘルスケアの各分野の形成的評価を行い、評価者は「劣る」、「やや劣る」の評価を付けた項目については必ず改善のためのフィードバックを行い記録する。

◉指導者研修計画(FD)の実施記録

 日本産科婦人科学会が指定する指導医講習会(註1)の受講は個人ごとに電子管理されており(H27.4.1.以降)、指導医の認定および更新の際に定められた期間における2回以上の受講が義務づけられている。

註1) 指導医講習会には①日本産科婦人科学会学術講演会における指導医講習会、②連合産科婦人科学会学術集会における指導医講習会、③日本産科婦人科学会が作成するe-learning による指導医講習、④第65回および第66回日本産科婦人科学会学術講演会において試行された指導医講習会が含まれる。指導医講習会の回数にはe-learningによる指導医講習を1回含めることができる。ただし、出席した指導医講習会と同じ内容のe-learningは含めることができない。

 別紙「指導者研修計画(FD)の実施記録」にFDの実施記録を行う。

 

8 専門研修プログラムの評価と改善

①  専攻医による指導医および研修プログラムに対する評価

 総括的評価を行う際、専攻医は指導医、専攻医指導施設、専門研修プログラムに対する評価も行う。また、指導医も専攻医指導施設、専門研修プログラムに対する評価を行う。専攻医指導施設に対する評価には、労働時間、当直回数、給与など、労働条件についての内容が含まれる。それらの内容は本プログラム管理委員会に報告される。

 

②  専攻医等からの評価(フィードバック)をシステム改善につなげるプロセス

 専攻医や指導医等からの専門研修プログラムおよび専攻医指導施設に対する評価は、専門研修プログラム管理委員会で公表し、専門研修プログラム改善の為の方策を審議して改善に役立てる。専門研修プログラム管理委員会は必要と判断した場合、専攻医指導施設の実地調査および指導を行う。評価にもとづいて何をどのように改善したかを記録し、毎年3月31日までに日本産科婦人科学会中央専門医制度委員会に報告する。

 

③  研修に対する監査(サイトビジット等)・調査への対応

日本産科婦人科学会中央専門医制度委員会が必要と判断した場合、該当する専門研修施設群へのサイトビジットを行う。この場合、当該専門施設群は専門研修プログラムに対する日本産科婦人科学会中央専門医制度委員会からのサイトビジットを受け入れ対応する。その評価を専門研修プログラム管理委員会で報告し、プログラムの改良を行う。専門研修プログラム更新の際には、サイトビジットによる評価の結果と改良の方策について日本産科婦人科学会中央専門医制度委員会の研修プログラム評価委員会に報告する。

 

④  熊本大学医学部附属病院専門研修プログラム連絡協議会

 熊本大学医学部附属病院は複数の基本領域専門研修プログラムを擁している。毎年熊本大学医学部附属病院長、熊本大学病院内の各専門研修プログラム統括責任者および研修プログラム連携施設担当者からなる専門研修プログラム連絡協議会を設置し、熊本大学病院における専攻医ならびに専攻医指導医の処遇、専門研修の環境整備等を協議する。その結果は6月の研修プログラム管理委員会で報告する。

 

⑤専攻医や指導医による産婦人科研修委員会への直接の報告

 専攻医や指導医が専攻医指導施設や専門研修プログラムに大きな問題があると考えた場合、本プログラム管理委員会を介さずに、いつでも直接、下記の連絡先から日本産科婦人科学会中央専門医制度委員会に訴えることができる。この内容には、パワーハラスメントなどの人権問題が含まれる。

・日本産科婦人科学会

 住所:〒104-0031  東京都中央区京橋3-6-18 東京建物京橋ビル 4階

 電話番号:03-5524-6900

 E-mailアドレス:chuosenmoniseido@jsog.or.jp

 

⑥プログラムの更新のための審査

 産科婦人科専門研修プログラムは、日本産科婦人科学会中央専門医制度委員会の産婦人科研修委員会によって、5年毎にプログラムの更新のための審査を受ける。

 

9 専攻医の採用と修了

①  採用方法

 本プログラム管理委員会は、毎年7月から説明会等を行い、産科婦人科専攻医を募集する。翌年度のプログラムへの応募者は、8月1日〜11月30日までに熊本大学医学部附属病院総合臨床センターのwebsite (http://www2.kuh.kumamoto-u.ac.jp/rinsyokensyu/)の熊本大学医学部附属病院医員募集要項(後期専門研修)に従って応募する。書類選考および面接を行い、12月の本プログラム管理委員会において協議の上で採否を決定し、本人に文書で通知する。

(問い合わせ先)

②  研修開始届け

研修を開始した専攻医は、各年度の5月31日までに、以下の専攻医氏名報告書を、本プログラム管理委員会(jsogkuma@kumamoto-u.ac.jp)および、日本産科婦人科学会中央専門医制度委員会(chuosenmoniseido@jsog.or.jp))に提出する。

・専攻医の氏名と医籍登録番号、日産婦会員番号、専攻医の卒業年度、専攻医の研修開始年度(初期臨床研修2年間に設定された特別コースは専攻研修に含まない)(様式×号)

・専攻医の履歴書(様式※号)

・専攻医の初期研修修了証

 

③  修了要件

 資料2参照。

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