熊本大学大学院生命科学研究部 先端生命医療科学部門 成育再建・移植医療分野 産科婦人科講座 | 熊本大学病院 産科・婦人科
「思春期女性へのHPVワクチン公費助成開始後における子宮頸癌のHPV16/18
陽性割合の推移に関する長期疫学研究(第Ⅰ期;2012年4月-2019年12月)」
ご協力のお願い
-平成24年4月1日~平成30年12月31日までに当科において診察を受けられた方へ-
研究機関名 熊本大学医学部附属病院
責任研究者 婦人科 教授 片渕 秀隆
分担研究者 婦人科 助教 髙石 清美
1.研究の意義と目的
子宮頸癌,子宮頸部上皮内腫瘍,子宮頸部上皮内腺癌にかかっている患者さんの数と,病変から検出されるヒトパピローマウイルス (HPV) タイプの推移を調査することにより,HPV ワクチンの有効性を確認することを目的としています。
2.研究の方法
1) 研究対象:
この研究は,産婦人科に子宮頸癌検査のために来院された16 歳以上39 歳以下の女性患者さんで,子宮頸癌,子宮頸部上皮内腫瘍 (CIN),子宮頸部上皮内腺癌 (AIS) と新たに診断された方を対象としています。
ただし,その他の合併症や治療経過などにより,対象とならない場合もあります。対象となる患者さんは本研究についての説明の後で、同意いただいた上でご参加いただきます。なお,未成年の患者さんの場合は,ご家族など代諾者の方にも同様にご説明し,同意をいただいた後に研究にご参加いただくこととなります。
2) 研究期間:
平成25年4月~平成31年12月31日
3) 研究方法:
(1) 患者背景調査
この研究期間中に,以下の検査および観察を行います。これらのうち,下線で示した項目は,この研究を実施するために行うものです。それ以外の項目はすべて通常の子宮頸癌やその前癌病変の診療で行うものです。
① 年齢,性,病名,病期(浸潤癌のみ),治療法,結婚歴,妊娠分娩歴,来院目的,治療開始日,
既往症,子宮頸癌ワクチン接種歴(有無,接種時期,接種地),ワクチン接種地
② HPV タイピング検査*
③ 細胞診断(ベセスダ分類)
④ 組織診断(CIN1,CIN2,CIN3,浸潤癌)
*1:通常の検診(細胞診)と同様に子宮の入り口の細胞を使って検査を行います。通常の細胞診以外に、
本研究のHPV タイピング検査のためにあらためて細胞採取をいたします。
HPV タイピング検査には,「アンプリコアリニアアレイHPV ジェノタイピングキット」という世界で広く使用されている37 種類のHPV の型判定が可能な研究用試薬を使用し、病院からの医学検査を広く請け負っているSRL 社にて外注検査を行います。研究用試薬には健康保険が適用されませんが,公益財団法人 国際科学振興財団からの研究助成が適用されます。そのため,あなたに通常の診療以外の費用を負担いただくことはありません。
HPV タイピング検査は年間の目標数に達するまで実施します。目標数に達した場合には上記①,③,④を行います。あなたにHPVタイピング検査を実施するかどうかは担当医師より説明があります。さらに2013年以降の当院で治療された子宮頸癌、CIN3、AIS の全患者さんのリストを作成しています(日本産婦人科学会登録リストと同一)。リスト作成にあたっては、名前、カルテ番号、生年月日などの個人情報は含めないこととし、本文をもって情報を周知し(問い合わせ先含む)、個別の同意取得は行いません。また当院で治療された子宮頸がんの患者さんの一部追跡調査を実施します。研究のために対象となる患者さんのカルテから診療情報を収集し、他施設の患者さんのデータと合わせて集計・分析を行います。
4) 情報の保護:
この研究のためにご提供いただいたあなたの個人情報は,個人を特定できない形式に記号化された状態で管理され,研究事務局代行に提出されますので,外部に漏れることは一切ありません。得られた結果が学会や論文などで報告されるときでも,あなたの個人情報が外部に漏れることは一切ありません。
なお,この研究で得られたデータが他の目的で使用されることはありません。研究終了後は個人情報漏えい等が起こらないよう細心の注意を払った上で,すべて廃棄させていただきます。
この研究にご質問等がありましたら下記までお問い合わせ下さい。御自身や御家族の情報が研究に使用されることについてご了承いただけない場合には研究対象としませんので,平成31 年12 月31 日までの間に下記の連絡先までお申出ください。この場合も診療など病院サービスにおいて患者の皆様に不利益が生じることはありません。
<問い合わせ・連絡先>
熊本大学医学部附属病院 婦人科 助教 髙石 清美
電話:096-373-5269 FAX:096-373-5670